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オペラ

「かぐや姫」

(全2幕)

​解説

<解説>

〜第2幕 第1場〜

宝探しの長旅から求婚者たちが戻り宝物を披露しますが、石作皇子の仏の御石の鉢を、姫は偽物と見破ってしまいます。苦難の旅を経て戻ったという車持皇子の志に翁は感動し、蓬莱の玉の枝の余りの美しさに姫も観念しそうになりますが、里の娘が偽造と暴き、憧れの車持皇子の心を奪い返す好機と喜びます。同じく、公家も大納言も失敗し、最後は真面目な中納言のみとなります(レチタティーヴォ「求婚者達の帰還」)。中納言が燕の子安貝を取るために、落下して病床にあることを知り、姫に同情心が芽生え、お見舞いの歌を送ります(アリア「お見舞いの歌」)。しかし、努力の甲斐なく中納言は亡くなり(アリア「中納言の辞世の歌」)、家来たちが祈りを捧げます(混声合唱「哀悼歌」)。

かぐや姫の噂は、やがて帝の耳にも届き、恋の鞘当に敗れた公家は、帝と姫との間を取り持ち、褒美を得ようと画策します(レチタティーヴォ「褒美は全て麻呂のもの」)。帝は姫をお側に仕えさせるよう翁に命じますが、拒み続ける強情な姫に困り果てた翁は、狩りと偽り、帝を姫に会わせる計らいをします。帝の深い愛情に触れて(アリア「帝の寵愛」)、次第に姫も心を開きますが、満月の夜が近付くにつれて悲しい表情を見せるため、心配した嫗(おうな)が、姫に悩みを打ち明けるようにと優しく話しかけます(アリア「嫗の悩み」)。姫は月の世界へと帰る定めを悟り、ついに中秋の名月を前に、翁と嫗に別れを打ち明けます(「別れのアリア」)。

〜第2幕 フィナーレ〜

初めて愛情の芽生えた帝にも二度と会えぬ思いを伝える場面が突然やってまいります。帝は兵を集め、翁の家で姫を守るように命じます(男声合唱「戦の時よ」)。姫は自分の生まれた遥か彼方の月へと誘う天女達(女声合唱「天人の到来」)、育った地上に残るように諭す村の娘たちの声の狭間で思い悩みますが、天の王はその迷いさえ許しません。最後の力を振り絞る決意で天の王の命令を制する姫は、不老不死の薬を大切な人たちに渡し、今や愛し合う帝との宿命の別れを手紙に託します(「愛の二重唱」)。天の王の魔力により、姫を守るために居並ぶ兵士や村人が、抵抗する力さえ失う中、かぐや姫は月の都へと旅立ち、地上に残された者達が感慨深く見送るなか、その姿を地上から永遠に消します(混声合唱「かぐや姫の旅立ち」)。

 

※注釈 原作の登場人物の読み方は川端康成氏の訳による。

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